森の中で迷ったら
まっすぐ進まなくてはならない。
京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/2004apr/23/W20040423MWI1K100000130.html
野田又夫氏死去
京都大名誉教授、哲学研究の基礎確立デカルトの研究で知られる哲学者で京都大名誉教授の野田又夫(のだ・またお)氏が22日午後8時3分、肺炎のため京都市左京区松ケ崎三反長町六の自宅で死去した。93歳。大阪府出身。葬儀は近親者のみで行われる。喪主は長男隆夫(たかお)氏。
1933年京都帝国大文学部卒。旧制大阪高教授などを経て53年京大文学部教授。退官後は関西学院大教授、甲南女子大教授を歴任した。
京都学派の西田幾多郎、田辺元らのもとで学び、文献学に基づいた客観的、実証的な哲学研究で戦後日本の哲学研究の基礎を確立した。バートランド・ラッセルなど現代哲学の紹介にも精力的に取り組み、ラッセル協会の発起人を務めた。
訳書にデカルト「方法序説」があるほか、ロングセラーとなった岩波新書「デカルト」や「ルネサンスの思想家たち」など著書が多数ある。
伊藤邦武・京都大文学部教授(哲学)の話野田さんは、ギリシャ哲学の田中美知太郎さんらとともに戦前の京都学派の薫陶を受けた最後の世代だった。しかし研究姿勢は東洋思想を取り入れた京都学派とは異なり、デカルトやパスカル、カントなどの西洋哲学を厳密に理解し直すスタイルを貫いた。国際的な哲学研究誌の編集も手がけ、日本の哲学研究の国際化にも貢献した。