長井さんのカメラ

追記。高世仁(id:takase22)さんのはてなダイアリーより

二人の制服の治安部隊員がビデオカメラらしきもの(ほぼ確実に長井さんが持っていたカメラだ)を持ち去るシーンが、決定的に重要である。もうミャンマー軍政は言い逃れできない。

こういう映像までが存在することは、相当数の市民が危険を冒して、あるいは人ごみに紛れながら、あるいは自宅の窓の隙間から、軍政の横暴を記録し続けていたことを意味する。市民にとって、軍政との闘いで、「映像」がいかに重要な武器になっているかが分かる。

ビデオカメラは持ち去られていた高世仁の「諸悪莫作」日記

同時に、危険をかえりみることの大事さ、生き延びることの大事さということも改めて考えさせられた。フランス革命の後、あのテロルの時期に何をしていたのかと問われたシェイエスは「私は生きていましたよ」と応えたというが、真に苛烈な闘争においては、まず生き延びることが最初の条件となる。その苛烈さには目眩すら覚えるが、しかしそれが彼らの現実なのだということを安全な場所にいる我々は目を背けてはいけないだろう。なくなった方のなにか落ち度を責めるというのではなく*1、そうした苛烈な日々を現地ビルマの方々は生きているのだということを改めて思った。

*1:報道機関と医療関係者は撃たないというのは国際的な常識であり、非があるとすればそれは100%この規範を無視する軍政側にあると私は考える。