名古屋のオープンソースセミナーに行ってきました。

いやこの連休じゃなくて、4月の話。オープンソースセミナーというところで、太田尚志さんがウィキペディアについて講演をするというので、こっそり覗きにいきました*1。フロアの反応が熱くて、ていうかスライド一枚終わるたびに、がんがん質問が飛んでたですよ。名古屋熱いぜ。いや河合さん*2が別格に熱いのか? でも熱い人がいるというのはまことにめでたいことです。ボランティア活動ってやっぱり好きでやって何ぼだから、牽引力になる人がいるというのは重要。

残念ながら太田発表のすべてを聴いているわけではないのですが、私がみた限りでは、フロアからはクォリティ・コントロールへの関心が高かったように思いました。特に「出典参照性」について、どのような出典なら許容されるのかというのはだいぶ具体的な質問が出ていましたね。リファランス・サイトとしてそれだけ注目され吟味されているということで、ありがたいことだと思います。中の人がんばれ*3

後半は MediaWiki のインスト−ルについての話。鎌滝雅久さん。OpenOffice.org のコミュニティでアクティブな方なのだとか。話を聴くうちに、なんか自分でも出来そうな気がしてきたのは講師の方が話がじょうずだからだろう。。残念ながら Linux+VMWare な環境の話で、自分の環境でただちに応用は出来ないのですが。

他のオープンソースコミュニティの方と交流できたのが自分にとっては収穫でした。方向性が定まったというわけではないのですが、今後ネット外の交流を増やしていくのは大事だと思っています。他のコミュニティの方とも、ウィキメディアコミュニティの内部でも。中京地区のウィキペディアンの方とお会いできたのも収穫でした。ウィキメディア・プロジェクト上でお世話になったかたもちらほら。「自分は読んでいるだけなんだけど、興味があったので来て見た」という方も一名。

質疑や懇親会のやりとりで思ったこと。ウィキペディアの運営って、私は大きく3部分に分かれるとおもってます。まずサイト上で完結している部分(「プロジェクト・コミュニティ」と普段私達が呼んでいる部分)、次にサイト外からのお問い合わせにボランティアが対応している中間部、サーバ等のインフラやサイトを運営していく上での法的なことども、あるいはプレス対応*4など管理運営しているウィキメディア財団の部分。サイト上のやりとりは全部公開されてますし、財団は法人ですからこれも見て分かる形があるのですが、真ん中にボランティアが縁の下の力持ちをしているのはちょっとわかりづらいだろう。というイメージをもってました。しかしプロジェクト外からみたら何もかもすべてひっくるめて、ぱっとみでは分かりづらいんですね。そして分かりづらいので新しく入ってくるのがためらわれる。懇親会でかな、いろいろな方針があってこうこう運営されていますという講演での説明に対して受けた質問で「結局、ウィキペディアは新しい人に編集してもらいたいんですか、それとも見ているだけにしていてほしいんですか」。"誰でも編集できます"というメッセージを発信できていないとしたら、それは問題だよなと思いました。……私自身の軸足はウィキペディアにはないのですが、しかし構造的には同じことなので、考えさせられました。答えは半月たつ今でも、まだ出てないのですが、粘り強くやっていきたいと思ってます。

今後ともみなさまお付き合いを願います。で、席上話に出た名古屋のウィキメディア・オフ会は、いつやるのかしらん?

*1:いやこっそりのつもりだったが道に迷ってお騒がせ気味に登場し、あまりこっそりじゃなかったかも、太田さんごめん。

*2:CodeIgnitorのコミュニティの方。本業は大学の先生らしい。

*3:私自身は狭義にはウィキペディア日本語版の中の人ではありません。むしろ財団広報に関わる翻訳コーディネート英語版ウィキクォートを車輪の両輪にして、あとはウィキニュースにも立ち上げ以来関わってます。

*4:なお日本語プロジェクトに関して取材対応が財団へいくことはあまりなく、ほぼボランティアが対応していると思われます。