限りなく透明に近いチベット

きょうはいくつかチベットネタが続きます。紹介したいリンクが多いので*1というわけで一日一チベットリンクならぬたくさんチベットリンク

まずは「ラサからの手紙」。英語ですが、これは翻訳エンジンかなにかででも読んで欲しいと思います。mixi のコミュニティでは翻訳もなされています。

The following letter was written by a resident of Lhasa, who wishes to remain anonymous. It gives a personal account of the current situation and the tense atmosphere in the city: ...

Shadow Tibet : Jamyang Norbu » Blog Archive » A LETTER FROM LHASA

Jamyang Norbu さんのブログ、5月8日のエントリとちょっと古いのですが、ラサの匿名の市民の報告を紹介しています。中国政府がどのようにしてチベットの寺院のそして一般市民の生活を破壊し抑圧しているかが克明に語られています。そしてどのようにそれを外部へ漏れないように圧力を加えているのかも。

次もチベット人の方の紹介。「ただ独りのチベットの声、今なお語らんとす」

北京‥‥。毎朝の日課は同じだ。彼女は起床するとコンピューターに向かい執筆活動を続ける。祖国チベットの現状を覆い隠す闇と沈黙を破るために。

41歳の作家ウーセル(Woeser, 彼女はチベットの伝統に倣い名を一つしか持たない)は自分がいつ検挙されてもおかしくない立場にいることを知りながら書き続ける。...

ただ独りのチベットの声、今なお語らんとす - ダライ・ラマ法王日本事務所

もともとはワシントンポスト誌に掲載された記事を日本語に翻訳したものです。北京在住のチベット人作家の日常と意見。ここでも中国政府がいかに自分たちに不利な証言や作品を抑圧しているか、どのような圧力をかけているかが語られています。

地震の後、震源地より西側に位置する四川省内のチベット族やチャン族の居住地さらには隣接する青海省の情報がほとんどないのですが、中国政府がこのような地域への監視を行っているという話。人民解放軍は全力で救援活動を行っていると主張していますが、さあどうなのか、とりわけ外国人立ち入りが禁止された地域ではどうなのか、疑問が残ります。読売新聞から「四川省のチャン族自治州、外国人に取材規制…デモ再燃恐れ」

九寨溝(中国四川省)=加藤隆則】大地震の発生した四川省アバチベット族・チャン族自治州で、外国人記者の取材規制通達が出されていることが20日、明らかになった。
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 同州当局によると、通達は17日、同省外事弁公室から「3月14日のチベット暴動以降、治安が悪化しているため、外国メディアの取材には申請が必要」と同州に伝達。(略)

 また、3月にチベット族の反政府デモが起きた同州のアバ、紅原、ゾルゲ各県では、県境に検問が設置され、「安全のため」として立ち入りが認められていない。

 外国メディアの取材については昨年1月1日以降、北京五輪に向けた中央政府の対外開放策として、従来必要だった地元政府への申請や事前許可が不要となっていた。

加藤隆則「四川省のチャン族自治州、外国人に取材規制…デモ再燃恐れ」 -- 読売新聞

いまどうなっているのかも心配なのですが、オリンピック後はさらにどうなるのかも気がかりです。またこういう記事を読むと、チベット人の現状についての報告がどれだけの危険を冒して届けられているのかについて改めて考えさせられます。チベットについての訴えとは、あるいはもう語った人が当局に連行されてこの地上にはいない、そんな可能性だってある。そういう重みをもった言葉なのだということを、忘れないでいたいと思います。

なお上の引用にもあるように被災者はそもそもチベット人の居住地なのですが、中国での救援活動には一面共産党幹部などの資金流用のおそれなしとしません。以前には洪水の義捐金のほとんどが着服されるという事件もありました。そんな状態なので、地震の救援のために寄付するとしてもどこに寄付するべきかというのが悩ましい選択になります。そんななかで、上で紹介したダライラマ事務所でも救援寄付の受付がはじまったそうです。

震源地であるアバ地区のチベット人の現状に関する情報は殆どありませんが、今なお避難所生活を余儀なくせられている方々も大勢いらっしゃいます。私たちに何かできることはないかと、緊急支援のための募金活動を始めました。皆様からお寄せいただいた募金をインド北部のダラムサラにあるチベット中央行政府(Central Tibetan Administration, H.P India)の指導下、中国関係者に贈呈いたします。これに関する詳しい内容は後日ご報告いたします。

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所ラクパ・ツォコ代表
四川省大地震 緊急支援のための募金活動にご協力ください

なお、上で紹介したからといって寄付を呼びかけているわけでも寄付先として奨励しているわけではありません*2。あくまでもご紹介するに過ぎません。こういうことは自分が納得できるところへお願いするのが一番だと思います。

*1:それはあれだお前が更新さぼってたからだろというのはなしで。

*2:それは他の寄付の照会でも同じ。