「しらない」

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080708/p1*1がいろいろとかまびすしいのですが、

  • 知らないことで人を軽蔑するというのは、あまりよい態度ではないのではないでしょうか。一般論ですけどね。とブックマークのコメントをみていて思いました。知らないことに開き直るのとたんに知らないのとは違って、前者は軽蔑されても仕方ない場合が多々あるんだろうけど、後者は「無学への許し」(ウンベルト・エーコ)ということがあるので、もちろん常識だといわれれば、そうなのですか、とお返事するんだろうけども。
  • もっとも誰にでも時間は有限なので、何についても知らないといわれたら親切に教えるべきだとまでは私も思ってはいませんが。
  • そして「知らない」は「よく知らない」ではないかというのは慧眼だと思います。ていうか学者の作法というのはそういうもので、たとえば故・渡邊二郎先生などは、ある学会の席上「ぼくは(シェリングの)『超越論的観念論の体系』についてはあまり知らないんだけどもね」というようにおっしゃっておられました。学会の質疑なんかで「ぼくは知らないんだけども」は枕詞としてよく使われますよね*2。もっとも、法哲学でもそうであるという保証はないのですけど。

*1:これ変な風にゴミが入って展開されるなあ。なぜだろ。/どうも簡易編集モード特有のバグのようだ。

*2:もっと踏み込んで言えば「私は基本的にこの問題一般に興味はないのですが、あなたのいうことには若干興味をもったので質問するですよ」というサインである場合も、ある。