鬼は内

毎日新聞の女性蔑視虚報シリーズに対して 2ch.net の既婚女性板常連、通称鬼女(この名称は昔からあったんだろうか、なお対して独身女性板の常連投稿者は毒女というらしい)が紙面から折り込みまで毎日への広告主に対する不買運動などを展開していて、それに対してはてなブックマークでは賛嘆からミソジニック (misogynic) なのまでいろいろなコメントが付いている。

たしかにその行動力は素晴らしい、と思う一方で、彼女達がすごいだけなんだろうか、とも思う。活動というのは不買運動に必要な情報収集や広報活動に始まり毎日社内の動向についての情報収集まで多岐にわたるのだが、後者は要するに関係者(社内・取引先)からのリークである。だがどうも2ch.netの関連するログを*1読んだ限りでは、リークしている人のすべてが自覚的にリークしているのではなくて、むしろハニートラップ状態でわさわさ喋っている人もいるようなのであるよ。

むろん意図的であろうとなかろうとリークがあること自体、危機管理としてどうなのよそれはと思うのだが、妻や娘や知人女性にリークしているという自覚もなく未公開の――なかには意図的に隠しているものもある――職場情報をほいほいわさわさ喋る男性社員の存在というのもどうなのだろう。その女性は職場の系統に属していないのだから当然守秘義務もなく、その個人にとっては身内かもしれないが組織からみれば関係のない人間である。そういう人に、職場であったことを、とくに毎日社内の人が喋るというのは、さすがに元社員の方に「統制のない組織」といわれる所以かなとも思うのであるが、どうも毎日だけの現象というものでもないらしいのだよね。

亡夫をめぐってどうであったかということを思い出すと、一度、彼の没した直後に、職場にあった彼が管理者だったあるマシンのルートパスワードを知らないかどうか、彼の同僚から訊かれたことがある。もちろん質問された方は非常に困っていたのだろうが、管理者の妻は管理者ではないのである、そんなものを知っているほうがおかしい、はずなのだ。しかしその方はそう質問されて、それは裏を返すと、妻というものは職場の機密をある程度は知っていることがありえる、という仮定があるということなのだろうか。わたしにはよくわからない。

まあ、妻にも話せないことを抱えてストレスを溜めて挙句の果てに自死を選ぶよりは――それは本当にいいようなく悲しいことである――、職場の統制を破ってでも妻や友人に色々なことを語るほうがまだよい、とそうした組織の長上が思っているかは、私の推測の及ぶところではない。

*1:意図したように読まれていない可能性があるので追記しました。