喋ります。

はてなダイアリーどころか twitter も更新しないでいたところ、あやつは生きているのかというようなことをのたまう方もいたらしいのですが、ええ御心配をお掛けいたしました、まあ何とか生きております。

明日から東京です。実は8月にもいちど上京して、そのときはゴーギャンと1/1ガンダムを見にいったのですが、リーフェンシュタールの『意志の勝利』をやっていたと後で知り、残念でございました。ゴーギャンはボストンで見たかったのですが、閉館間際だったため、部屋に近づくことさえ出来ず敗退し、3年振りの歯医者復活戦でございました。敗者。そうそう歯医者にもいかなきゃなのですが、いつものように泥縄でございまして、発表前なので予約を一回飛ばしました。次が怖い。

そう、発表をするのであります。以下、主催者にさっき送ったばかりの概要。なんという泥縄、しかしないよりはまし (better than nothing) と巷間云うがごとし。

ウィキメディアにおける多言語化と翻訳

ウィキペディアに代表されるウィキメディア・プロジェクトは、多言語プロジェクトとしての側面をもつ。200以上の言語コミュニティが、多言語化対応されたウィキエンジン「メディアウィキ」を用い、ライセンス等の方針あるいは「中立的な観点」などのプロジェクト基本方針を共有し、それぞれ緩い結びつきをたもちつつ、独自に百科事典や辞書などのコンテンツを制作している。

このような多言語でのプロジェクト展開は、ボランティアによる翻訳活動によって支えられている。ウィキメディア・プロジェクトのコンテンツ同様、技術情報や財団が策定された方針や広報文書の多言語化も、実際の翻訳作業からその取りまとめや調整にいたるまで、ほとんどがボランティアによって行われている。翻訳に従事するボランティアは、プロジェクト本体がそうであるように、翻訳者のコミュニティを形成している。

本発表では、ウィキメディア・プロジェクト内における多言語化および翻訳について、技術翻訳・管理運営文書・コンテンツ制作のそれぞれの分野から実際の活動例を示し、その多言語プロジェクトとしての諸相を紹介する。すなわち
・プロジェクトが使用するウィキエンジン「メディアウィキ」多言語化
・プロジェクトの運営団体である米法人「ウィキメディア財団」からの情報提供や広報の多言語化
・プロジェクト間のコンテンツ翻訳
について、それぞれの作業環境や活動状況を示す。また翻訳者相互のコミュニケーションや企画についても触れ、もってウィキメディア・プロジェクトの多言語性を支える翻訳活動について理解を促したい。

お座敷はウィキメディア・カンファレンス・ジャパン2009、会場は東大本郷キャンパス工学部2号館、時は11月22日、わたくしの担当はプログラム:E-2b、14:20 - 14:50でございます。わたくしの発表などは枯れ木も山の賑わいといったところですが、午前中の基調講演は国立国会図書館館長の長尾先生、ウィキメディア財団広報部長の Jay Walsh とそれぞれ興味深い話が聴けると存じます。当日券もありますので、秋の一日、よろしければ本郷の散策がてらお越しくださいませ。

追記。スライドを公開しました。http://www.slideshare.net/aphaia/multilingualization-translation-and-wikimedia (aphaiaは私のウィキメディアでのユーザ名です)。