Sogenannt das älteste Systemprogram

本稿は初期Sch.のStaasbg.の変化と、この変化が彼のK.bgおよび「n.Mg」概念の展開に与えた影響を、Sch.のLb.把握、とりわけLb.から継承したles monades把握の深化との関係から捉えることを目標にする。

SchのNPへの関心が、家庭教師時代のLeipzigでの自然学との接触に始まることはよく知られている。SchのNP著作は'96から'04にかけて主になされるが、われわれはその営為の背後にLbからの影響、精確にはMd.の影響を指摘することが出来る。最初のNPの著作"Id."にはすでにLb.への言及があり、また'02の対話編B.ではNPの変形と見られる「真の物質論」(唯物論、Mat.lismus)はLb.に基づき、それを「改良した」ものであるといわれる。


NP著述が精力的になされたこの時期はまた、Ä観念論と称された時期と重なる。いわゆる『体系草稿』*1を数えずとも、'00から'03はSch.がK(w)を集中した時期にあたる。K.の位置づけについては若干のゆれがあるものの、少なくともこの「&Aumul的観念論」の時期、Sch.にとって、K.は、絶対性においてPhilos.と対置される*2「Philos.の唯一真にして永遠の機関」であり、また「観念的なもの(以下Id.les)の最高のP.nz」として「K.の宇宙における全の叙述」である。このときId.lesに対置されるものは、R.lesすなわち総体としての自然である(vgl, '00 5.Hptabs., '01 Darst.)。さらにK.philos.は「Nの探求者(N.forscher)」にとっての「鏡」であるといわれ(Akad. 14.Vorl.)、NP時代が同時にK.philos.の時代であることは、この時期のSch.の思惟においてはむしろ体系的要請として理解される。

このときSch.のK.把握を特徴付けるBg.としてわれわれは「n.Mg」を上げることが出来る。このBg.は'00では簡単に触れられるにとどまるが、PdKにおいてはその「素材論」*3の中心的主題になる。Mg.の可能条件を論じるSatz 42 はPdKのなかでも長大な章であり、ここでmod.Kの条件として要請されるのが n.Mg.なのである。n.Mgへの言及はFr.Sch.gel(1800)にも見られ、必ずしもSch.の独創というわけではないが、今日残る最初の初出は'96/7に成立した『体系草稿』である。n.Mg.が未来のKとして要請されるという構想はäSと'00以降のSch.K.philosに共通する。その限りで我々は両者の親近性を指摘することが出来る。

いっぽう、'96から'02にかけてのSch.のSt.t把握には、ある飛躍が指摘されている*4。すなわち、'02を境としてSch.のSt.bgはMech.smusからOrg.smusへと変化するのである。'01から'02にかけてのSch.の思惟について先行研究は別の変化、すなわち自然把握あるいはMd.概念についての断層を指摘している*5

本稿の目的は、以下の三点である。1)このふたつの変化が同じ源泉に由来するものであること、すなわちSch.のLb.評価の深化、とりわけNPとしてのMd.受容の変化に由来することを示す。2)Nの特性であるOrg.gmusがId.lesとしてのSt.tにおいても原理的に可能であるとの認識を'01/2においてSch.が得たことによって、abs.Id.lesであるK(w).の成立基盤としてのSt.t観が変化したことを示す。3)Sch.のK.把握とりわけn.Mg.とSt.tの関係の把握がäSと'02以降では異なることを示す。

このことは従来の研究が指摘しなかった、Sch.におけるRechtbg.とK.bgの関係をもまた照射するであろう*6

*1:本論は筆者問題に立ち入るものではないが、Sch.のK.およびSt.bgとこの草稿の間に緊密な関係を認め、Sch.の思惟の発展を考える上でこの草稿の内容を重視する立場をとる。このことについては後に言及する

*2:たとえばAkad./PdKの原像=対像論。また'00自筆原稿への後のSch.による書き込みをも参照。

*3:あるいはわれわれはこれをいっそ「質料論」と呼ぶべきかもしれない。

*4:Jh.buch.d.Philos., Sys.d.trans.Id.,2000?

*5:たとえばK村、Iこだ

*6:K.とr.le Id.lesの関係は従来おもにRelig./Kircheとの関係で指摘されてきた。たとえばAllbornを参照。これはテキストがMg.をRelig.の関係においてのみ論じていることにおそらくは起因する。しかしbes.Teil叙事詩論などでは、K.はSt.の関係において論じられる。またSch.においてK.の最高のポテンツとされるTrag.を、Sch.がしばしばE.kとの関係で論じることも注目に値する。vgl,Briefesch.,PdK 3.Hptabsch.