浄めについて、あるいは秘儀について

エンペドクレス Fr. B115
via プルタルコス『亡命について』17 p.607C

 過ちによって自らの手足を殺生の血で穢した者あれば、
 ……
 至福の者から離れて、……さまよわねばならぬ。
 われもまた今はかかる者らのひとり、神のもとより追われたる者にて放浪の身

と宣言し……ているのである。……魂は……亡命者であり、〔この世を〕さまよっているのである。


via プルタルコス『イシスとオシリスについて』28 p. 361C

ダイモーンもまた罪を犯し、……償わねばならないとエンペドクレスはいう。

引用

そしてこのことは、このようにして罰せられ、浄められて、ふたたびその本来のあり場所と地位を取り戻すまでつづくのである。

エンペドクレス Fr. B128
via ポリュピリオス『禁忌について』II 20ff.

昔の供犠は多くの場合、酒を混じえぬものであった。水の灌*1てんは酒を混じえない。その後、蜂蜜の灌てんとなった。……。その次に油の灌てんとなり、そして最後に、これらすべての後に酒の灌てんとなったのである。……このことは……エンペドクレスによっても証言されている。……

この女神((キュプリス=アプロディテ)を彼らは聖なる像でもって、
あるいは……香油でもって、
あるいはまた……香料とふくいくたる乳香の供物でもって、
そしてまた黄金色の蜂蜜の灌てんを地面に注いで、祀っていた。

……。

だが祭壇が牡牛の血で濡らされることはなかった。
むしろそれは人々においては最大の穢れであった。
……。


ヘラクレイトス Fr. B69
via イアンブリコス『密儀について』

供議には二種類のものがあるとわたしは考える。一方は完全に清められた人のそれであって、ヘラクレイトスのいうごとく、時たまひとりか、あるいは数えるばかりのわずかな人のみに起こるものであり、他方は物質的なもので……

*1:原文では旁に草冠