人間の教育

某銀行のセミナーに出かけていった。まあ純粋な好奇心である。普段まじめに掘り下げることのない話題を他人に説き語ってもらうのは、なかなかよいものであることを発見した。カルチャーセンターの非実技・非実用・教養講義系のクラスにどうして人が出かけていくのかという問題と通じるものがあるかも。

しかし、一番面白かったのは、質疑応答であった。講師は金融会社のファンド運用担当者だったのだが、質疑の実質的内容はもちろんとして、質疑のかみあわせ方とはずし方、答えるときの話し方のさまざまな調子、表情や声のトーン、持ち上げ方、とりわけ(もちろん意図的に)はずす時のはずして行き方、はぐらかし方などは、実に面白かった。なるほど、弁論術と修辞とはかくも精巧にしてかつ奥深いものなのかと感じ入った。

なんかとてもいやな質問がきてしまったらしかったときに、一瞬「うーーーー」とうなって、お約束の「興味深い質問ですね」が出なかったのは担当者若いから*1ゆえのご愛嬌か。ちなみにその質問への答えは実質的に「ごめんなさい私には答えが差し上げられません」だった。

みんな、お互い、がんばろうね。

*1:30代とみた。