ラノベ備忘録・2008年8月編。

以下ネタばれも含むに付き^L が使えないってほんとに不便だね。


















  • 『お釈迦様も見てる 紅か白か』 スピンオフ。中篇×2。片方は『コバルト』初出のときに読んだ。増補があるらしいが見ていない。もう片方の中篇は新キャラクター。正直私にはどこが魅力なのか分からないキャラクターだ。雑誌でみたときも思ったんだが、どういう層がターゲットなんだろう? わたしはもちろん男子校を知らないがマリみて以上にリアリティが感じられない。といって腐女子が喜びそうな感じでもない。エロスがないんだな。烏帽子名の設定は70年代の少女マンガのソロリティ風設定を思い出す(やたらよくわからない綽名が主要キャラクターについているというもの)。ギャグと華と狂言回しの女教師の足りない『アラミス’78』といったところ。
  • 神曲奏界ポリフォニカ ジェラス・クリムゾン』 これまでで一番分厚くてしかも前後編の前。この1巻だけで500枚あるそうだ。短編集や他並行作品の設定をうまく取り入れていて、そういうところは手堅い。設定過多かなというのはずっと気になっていたが、RPGがFEARから出ていた*1。そういう需要があるということか。キャラのお約束漫才は私には鼻につくが、シリーズものだとある程度そういうものも必要なんだろうか。ここ数巻は作者のキャラいじりがすごい気がするんですが、棄てプリの頃から兆しはあったか……。この人、女酒乱書くのがたんに好きで、だからといって説得力のある女酒乱の描写を書く力量がないだけなのかも。
  • レンタルマギカ 魔法使いの妹』。中篇4本。手堅い。いつもと違って外国語の使い方などにあからさまな間違いがないので、その意味でも気持ちよく読めた。主人公が派手にバトってないので平和な感じですが、いままでの伏線が回収されたり新たな伏線(ていうか釣り?)が張られてたりしているので、シリーズ追っている人は読まざるをえないかも。なんでこのタイトルなんだろうと思ったが、4本のうち3本は確かにそういう話、巻頭もそのテーマだといえなくもない。題詠ならぬ題ラノベといったところ? 主人公が拾われ子というのは掲示板などで話は聞いていたが、ほんとに一瞬出てくるだけなんだな*2。思わせぶりな文がときどき地の文に混じるが、シリーズ完結が近いのか単なる引きなのかドラゴンボールよろしく無限遠にのびていくのかは不明。ところで表紙のアディは縦ロールじゃない気がしますが気のせいでしょうか。
  • グイン・サーガ』122巻? 無惨の一言。主要人物のはずが突然人格破綻者のように酷い描かれ方をされ、かなりの頻度で性的倒錯が付いてきて*3、延々繰言をいうだけのキャラクターになるというのが50巻前後からのパターンで、それはもう馴れていて、ていうか作者が気に入らないキャラなんだな*4というので苦笑しつつみていたのだが、最近の数巻ではそれまで作者のお気に入り*5だったはずのキャラクター(e.g.マリウスやリンダ)まで、このパターンに嵌まっていくのはどういうことだろう。この新刊での犠牲者はハゾス・アンタイオス。いや、まあ、ここしばらくの数巻でもすでに十分ハゾスは何この女衒だったわけだが、この巻ではさらに卑小さが増しており、ああもう私が好きだったキャラクターでまともな人はスカール様だけになってしまったのかと悲しかった。グインがシルヴィアを夢の中で切ったうんぬんというのはあったようななかったような気がするなあ、と思っていたら90巻あたりの話らしい。伏線回収にしても放置しすぎだと感じた。こういうことを再度説明しておくために地の文というのはあるのではないだろうか。

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*1:リプレイも出ていた。ってマスターは当方不勉強にて存じ上げぬなり。プレイヤーは鈴吹太郎さんなどいてちょっと豪華。

*2:あとで伏線回収するだろうけど。

*3:私が原理主義異性愛者だということをまったく度外視しても、それなりに長く出てきたキャラクターが作中世界で白眼視されている性的指向の持ち主だということが、ストーリーの展開に大きく寄与するでもなく以前の伏線もなく突然持ち出されるというのは、なんかおかしくないか?

*4:ということが透けて見えるというのはフィクションとしてどうなんだと思うが、それはまた別の話。

*5:ということが透けて見えるというのはフィクションとしてどうなんだと思うが、それはまた別の話。