例のあの人、なの

ガンダムって戦車や戦闘機と同じ戦争の道具ですよね?人殺しの道... - Yahoo!知恵袋をみて思い出したことがあります。

例のあの人は、をたくというほどではありませんが、あの年代の男の子なりに「赤城」のプラモデルを作ったりしていました。そして例のあの人の母上は、あの年代の女性なりに反戦思想の持ち主で息子が旧軍の軍艦のプラモデルを作ることを喜びませんでした。後年わたくしに、機械工学など専攻して兵器産業にいったらどうしようとか割とまじめに心配していたと打ち明けてくれました。まあそんな心配なさらなくてもいいのじゃないですかと嫁が曖昧に慰めたところ、「でもねえ」といまだに煮え切らない様子であることを伺わせておりました。*1

諸般の事情で彼のこさえたプラモデルはずっと実家においてありました。義母はそれをずっと棄てたがっており、例のあの人はそれに抵抗していて、一緒に実家に帰るたびに微妙な心理戦が追及されるのでした。なんで自宅なり職場なりに*2引き取らなかったのか、今でも不思議です。まあある種のマーキングだったのかもしれませんが。そうして甥がその部屋を使うようになってからは、義母がさらにその置物を嫌がるようになったことはいうまでもありません。

でも、あの人がなくなったあと、義母はプラモデルを処分するとはいわなくなりました。私に引き取ってくれともいってきておりません。というわけで彼が組んだ旧海軍の「おふね」は、いまも実家の彼の部屋だったところの棚におかれています。やはりその年代らしくガンダムファンである甥は素直に旧軍プラモを喜んでいます。

*1:そんな姑にわたくしがフィッシャー提督の熱烈なファンであることを未だに告げていないのは特に悪意があって隠しているわけでもなくいらぬ波風を立てたくないからということに尽きます。

*2:というのは、そういう私物を置いていても構わないところで、事実ゲームの類は自宅より職場においてあるほうが多かった。