待降節の朝
西方では降誕節の四週前の主日からはじまる Advent (待降節)ですが、東方では11月15日に始まります。ユリウス暦を用いる正教会*1ではこれはグレゴリオ暦の11月28日にあたる。つまり今日から。この日が来ると、ああ今年も終わりに近づいたな、と思います。
西方と違って東方ではとくにこの時期特別な名まえがついているというわけでもなさそうですが、英語国など、地域によっては西方の教会暦にある待降節の名を流用するようです。ただこの時期、大きなお祭の前には常にそうであるように、食事の節制を中心とする斎(ものいみ)があり、これには名前がある。フィリップの斎とか Nativity Fast (降誕祭の斎)などといいます。フィリップというのは新共同訳などでいう使徒フィリポで、前日11月14日(11月27日)がこのひとの祭日だから翌日から始まる斎期にこの名がある。英語版ウィキペディアには Nativity Fast で項目がありました。いろいろ細かいことを言い出すと切りがないのですが、教会で出してるパンフレットには「肉と卵と乳製品を取り去る」と書いてあった*2。
なので先週は冷蔵庫の肉と乳製品を減らすべく奮闘していたのですが*3、今日になってチルド室の奥から半分だけ使った挽肉がでてきました……しかも今月頭に買ったものですでに黴が出ている模様……久々に敗北を感じました。挽肉は開けたときすぐに使い切らないといけませんね。
さて、そのウィキペディアの記事にもあるように、この斎は本来40日間あるのですが、日本の正教会では戦後、米国の影響で降誕祭は12月25日となりました(ユリウス暦を使うなら現在のところ1月6日にあたる)。降誕節は神現祭*4まで続きますので、日本の正教会は斎は他より1週短く、クリスマスは1週長いのだ、といったら昨日が名の日だったセルビア人の友人が「えへへ」と笑いました。