みんなで心配してた

亡夫が逝って次の春、友達と電話でお喋りしていると、わたしたちが結婚した頃の話になった。そのころ私は大学の学生教育用の計算機センターに入り浸っていて、総ログイン時間のトップを別の学生と競っていた。それで、当時は計算機センターの職員だったその友人によれば「……さん、研究のことはともかく、(結婚とか)どうするつもりなんだろう」と計算機センターの一部のひとたちで”心配していた”そうである。亡夫は亡夫でセンターの人たちと関わりがあり、彼はその当時は結婚そのものに関心がなかったので余計なお世話なのだが、センターの人たちはやはり「……さんどうするつもりなんだろうと心配していた」そうである。

わたしたち二人が出会った、というか実際に顔を合わせたのは、実はそのセンターの端末室のひとつであったのだが、二人とも第一印象は「この人と結婚することはないな」だった*1。普段私は初対面の人に対してそういうことを考えるわけではないので、なんで唐突にそういうことを思ったのかはわからない。なお、そのとき私はM2だった。それで職員とボランティアの学生という立場で、あるいはゲーム友達として付かず離れずの付き合いが始まり、最初に顔をあわせてから、1年ほどで恋人として交際が始まり、3ヶ月後には口約束を交わし、さらにその3ヶ月後には具体的に入籍する日程を相談するまで話が進んだ*2。その頃になると、私達が付き合っている、ていうか結婚を前提として付き合っていることが”わかって”、センターの人々は「おお」「いわれてみれば、ぴったしやん」等々大いに”安心”したというのだった。

なお、彼が女の子と付き合うというのはかなりの人にとって大きな衝撃であったらしく、ましてや結婚するというのはさらに大きな衝撃であったらしい。それでその年「○学部でいま一番ホットな話題の人」等、彼は一部からは呼ばれていたらしいが、我々ふたりはもちろんかなりあとになるまでその話は知らなかった。

……という昔の話をはてな匿名ダイアリーのあるエントリを読んでいて思い出しました。まあどこかに出会いがあるよ。いやすでに出会っているのかもしれないね。

*1:彼がそう思ったというのは結婚式の二次会の余興の質疑応答ではじめて知った。

*2:実際に入籍したのは私がD1の夏である。結婚まで8年近い交際期間を重ねたその当時の私の講座の助手はこれを称して「それ愛情違う。衝動や」といった。