玄関に田村亮子が立っていた

野球の谷佳知選手がまだオリックスにいた頃。もともとオリックスファンだった*1亡夫の知人に、谷選手のリトルリーグの後輩、ということはご近所の方がいて、ときどき漏れ聞くエピソードに谷選手っていい人だなあと我々はなごんでいた。

そんなある年の初め、テレビのワイドショーで「柔ちゃん、谷選手と熱愛?!」というような報道をやっていた(わたしはワイドショーが結構、いやかなり好きだ、とくに90年代には新宗教がらみのネタがいろいろとあり、宗教ヲチャとしては大いに楽しませてもらった)。

「これ、ほんとなのかなあ」と私が何の気なしにいうと、髭を当たっている夫が「ほんとらしいで」と洗面台のほうから答えた。
「え、そうなん?」
「(知人)が、正月に二人で菓子折りもって挨拶にきたいうてたで」
「おお、それはとっても本当らしそうな話だのう」
「なんか二人でご近所全部挨拶して回ったらしいで」
「正月から暇ないのう」
「だのう」
「しかし(知人)さんも、それは驚いただろうねえ」
「まあ玄関先に田村亮子が立ってたら驚くわな」
「生田村かあ……ねえねえ、じゃあ親と同居なのかな」
「知らん。けど取材とか来るから挨拶はしとくのやろなあ」
「そだねえ。有名人は大変やね。そんで田村亮子、どんなんやったって」
「感じのいいお嬢さんだったって」
「そっか」
そうしてわたしたち二人は、あったこともないお二人だけれど、なんとなく幸せのおすそ分けをもらったようになって、なごんだのだった。

何でもない話だけれど、ふと思い出したので書き留めておく。

Inspired by:

*1:正確にはブレーブスファン。