お風呂勉強法

Rubberducky, photo by Toniht. PD.

お風呂勉強法は、お風呂で湯船に浸かる時間を活用する勉強法です。おもに暗記物に適していますが、読書などにも応用可能です。わたしは現在、言語学習の短文音読練習に使っていますが、防水加工をした再生機などを利用すれば、シャドウイング詳細)やリピーティングの練習などにも使えるかと思います(iPod には別売りの防水カバーがあるらしい。私はiPod 持ってないのでよく知らないのですが)。

お風呂勉強法に必要なもの

NHKラジオ徹底トレーニング英会話 3月号 (NHK CD)

  • ラバーダッキーラバーダッキー(上掲図)です。お風呂のきほんです。Knobbler 社のがお勧めですが、お好みで。
  • 教材:学習教材です。教科書や参考書等を1冊から数冊持ち込むのがよいでしょう。言語学習の場合、NHKの語学教材の印刷テキストがお勧めです*1 。何故か。安いからです。このとき印刷教材はどうがんばっても濡れるので、あまり高価な書籍はおすすめできません。NHKの語学教材は1月あたり380円と安価なので、万一お湯の中にどぽんと落として無残にふやかしたとしても、諦めが付きやすいかと思います。しょせんコーヒー1杯分です。音声教材の場合は、音声データと再生機を持ち込みます。防水対策をお忘れなく。
  • 乾いた台:教材をおきます。可能な限り、風呂に浸かったままで手が届くところにおきます。風呂の蓋を利用するのが手っ取りばやいかと思います。
  • タオル:お風呂ですから普通タオルは中にあるのですが、手に届くところにおいておくのがお勧めです。教材は台の上においておきますが、手がぬれている、水が跳ねるなど、どうしてもぬれてしまいます。そんなときには、タオルでさっと拭いて被害を最小限に食い止めます。
  • 時計:最初のうちは必須です。ないと高確率でのぼせます。防水加工済みの時計がホームセンターで手に入ります。

お風呂勉強法

泳げアヒルちゃんファミリー
わたしが行っている短文音読練習を例にとって説明します。これは外国語の短い文章――ていうかNHKラジオ語学講座の1回のレッスン分――を10回〜30回ずつ音読するものです。なおこの練習の目的は構文と単語に慣れることを主とし、発話能力の強化を従としています。暗記は目的ではありませんが、何回も繰りかえすので自然と覚えていきます。

0.掛け湯をして、湯船に入る。
1表.その日の学習分を音読する。日本語と外国語を交互に読んでいます。慣れてきたら外国語だけに切り替えます。また可能ならば日本語の部分は(添えられている訳文を読み上げるのではなく)外国語を「頭から読み」ます、つまり外国語を逐語的に日本語へ置き換えます詳細)。これを繰り替えして外国語の文章は合計で30回音読します。NHKの語学教材を用いる場合、まあ全部で50語もない短い文章ですので、それほど長い時間はかかりません。このとき浸かるのは5分までにします。5分で終わらないときには、二回目に湯船につかったあと、残りを仕上げます。
1裏.5分程度浸かったあと、一度湯船から出ます。髪などを洗えばいいのですが、のぼせているなと思ったときには、いったん風呂場から出て飲み物(分量外)を取ることをお勧めします。
2表.昨日学習した部分を復習する。最初の1、2回は同じように日本語と外国語を交互に読みますが、ほとんど外国語部分だけを読み上げます。このときは10回から20回程度外国語の文を繰り返します。
2裏.湯船から出て、5分ほど間を空ける。
3表.再び湯船に浸かって、今度は1週間前に学習した部分を復習する。復習の仕方は2表と同じ。ひたすら音読。10回は読む。
3裏.湯船から出て、5分ほど間を空ける。
4表.再び湯船に浸かって、今度は1ヶ月前に学習した部分を復習する。復習の仕方は2表と同じ。ひたすら音読。10回は読む。
4裏.湯船から出る。まだお風呂に入りたいなら、5分ほど間を空ける。そうでなければ風呂場から出て、髪を乾かしたりなどする。ここまででだいたい1時間弱経過していることと思います。
5表.きょう学習したところ(1表で習ったところ)をノートに書き写すと記憶の強化という点では望ましいのですが、私は大抵そのまま布団に入って泥のように寝てしまうので、無理におすすめはしません。別に次の日の朝起きてきてから書いても、よいと思います。

1日・1週間・1月の繰り返し間隔は心理学に一応基づいています(詳細)。

私の場合、NHKラジオ語学講座のテキストを使っているため、お風呂で勉強する1表での学習内容は実際には初見のものではありません。半日ほど前に聴いたラジオ講座の復習になっています。ラジオ番組を聴いた後の復習などではなく、単語暗記の場合などでは、2表の冒頭を前日の復習ではなく、1表の簡単な復習にするとよいかと思います(10回も繰り返さなくてよいので、さっとやったところに目を通す)。

気をつけること

まずのぼせないことが必要です。そのために

  • 湯の温度は38度〜39度くらいにする。
  • お湯には連続で10分以上は浸からないようにする。
  • ペットボトルに飲み物を用意しておき、脱衣所などすぐ手の届くところにおいておく。

などの対策を採ります。

お湯は、36度の腰湯でもよいでしょう。とにかくぬるめに設定します。でないと確実にのぼせます。ただしぬるめ過ぎるとこんどは身体を冷やします。どちらにしても無理はしないようにしましょう。*2またお湯に浸かっている時間は、とりわけ最初のうちは10分を越えないようにします。お湯のなかで気持ちがほぐれていい感じに勉強がはかどると、つい時間を忘れるのですが、度を越すと軽い脱水症状に陥ります。適度にお湯から出て、身体を洗ったり、あるいは一度風呂場から出て身体を休めるなどするのがよいでしょう。温泉の上手な入り方と基本は同じです。脱水症状を防ぐには、適度な水分補給も大切です。このため、飲み物をあらかじめ用意しておくことにします(休憩の後、お湯に入りなおす場合には、ノンアルコール飲料にすること)。

また、お湯から出たときには、いったん冷水を四肢にかけ、ほてりをとるのもお勧めです。

人によっては、長風呂で「温熱アレルギー」が出ることがあるかもしれません。そういう方にはこの勉強法は向いていないので、残念ですが違う方法を考えてください。邪魔が入らない環境でリラックスした状態での繰り返し学習がお風呂勉強法の核心です。お風呂はその点理想的なのですが、長風呂が出来ない方は似たような場所を別の仕方で確保することを考えてください。

関連エントリ:

一日一チベットリンクインド発チベット宛の黄色い手紙を中国まで届けた話。 - とれいん工房の汽車旅12ヶ月

*1:3月分のテキストの書影がないので、CDを代わりに表示しています。

*2:id:sentaro0525さんのブックマークコメントのご指摘により、追記した。