今宵あふ人

先日ひょんなことから決まった祇園オフid:chocolate_love さんと id:yun__yun さん、どちらもわたくしには初対面でしたが、えっとーマシンガントークは打ち解けていたからだと思ってくでい、楽しい夜を過ごしました。

金曜日は5日の宵、一次会は祇園円山公園脇の「かがり火」というお店で湯豆腐。ここ少し分かりづらい場所にあって、地図では知恩院道にあるようにもみえるのですが、そうでなくそのひとつ向こう、円山公園前の斜めに上る道をのぼっていったところにあります。わたしも罠にはまるところでしたが、電話の際お店の方に思い違いを指摘され、たどりつくことができました。湯豆腐は昆布だしなのか透明な汁のなかに豆腐が小さめに切ったものが入っていて、それを席で暖めます。おまじないのように柚子が一片浮いているのが印象的でした。煮えるまで約十分。薬味は小口に切った青葱のみ。醤油ベースのたれでいただきます。お豆腐はだいぶんしっかりした感じ。これだけを冷奴でいただくのもよいかなと思いますが、遅く始まる席でもあり、それは今回は自重しました。他に精進天ぷら・ひりょうずの炊いたん・ごはん、あまりお酒を飲まなかったこともあり、リーズナブルなお値段でした。またいってもいいかな。お弁当などもあり、あるいは花の時期にもう一度いくのも一興かと思います。

love_chocolate さんからはお土産に東京でしか買えないチョコレートをいただきました。聖ニコラウスの日*1にお菓子を貰うなんて素敵、ニコラオスの贈り物だわ、と思いましたが、そういう宗教オタクなことを口走ってお二人がドン引きになるとまずいなあと考えるくらいには理性がのこって、そこでは黙っておりました。だけれど自重しない性格なので、結局は書いておくのですよ。

当初は22時には切り上げて帰宅するつもりだったのですが、店を出たあと「半地元民」chocolate_love さんのご案内で祇園をそぞろ歩きしたあと落ち着いた木屋町のカフェで伺ったお話もおもしろく、気がついたら予定時間をオーバーして、少し遅く辞去しました。

おふたりともお忙しいところを、ありがとうございました。こういう奴ですが今後ともお付き合いを願えれば幸甚に存じます。

追記:お土産にいただいたマカロン、ほんとうにおいしゅうございました。Jean-Paul Hévin というパリのショコラティエの東京店のもの。通販もありますが、マカロンは取り扱っていない様子(http://shop.jph-japon.co.jp/)。まあ脆いものですからね。日本では東京・広島・博多にお店があるようです。お店には喫茶部(バー・ド・ショコラ)もあって、次に新宿で待ち合わせするときはいいかも、と思いました。でも人気店だろうからそううまくいくかどうかはわかりませんが。

*1:西方教会ギリシャアメリカの場合。12月6日が祭日だが、教会暦のはじまりは日没なので、5日の晩はすでにニコラウスの日となる。なおユリウス暦を使う教会の場合、たとえば日本ではグレゴリオ暦の12月19日が相当する。

Conference Aired

Wikimania on air という提案があって、つまり地上でやると絶対経済的理由や政治的理由等により参加できない人が出るので、また地上で会場を借りてするからにはキャパシティによる制約などもありよろしくない、ゆえにぜんぶウィキとチャットと動画中継で発表と議論をやってしまおうという半分冗談でしかし本人たちはまじめだと主張するたぐいの提案である。参加できないというのは、渡航費用はまだ調達できても、たとえば「兵役を済ませていない男性は海外渡航できない」とか「兵役中であり賜暇が取れる状況ではない」とか「ビザの発給を拒否された」等々かならず出席できない人は出てきてしまう。まあ、我々だけじゃなくて国際会議というものはどこでもそうなんだろうけど。

という話を「勉強会しましょうか」が世界を変える − @IT自分戦略研究所を読んでいて思い出した。いろいろ思うところはあるのだが、それはおいておいて、私のような下流の人間からすると、1日1万数千円のコンベンションにしかも交通費宿泊費を加えて参加するというような贅沢は不可能なので、中継がなかったらその内容に触れる機会はない。他にもっと自分にとっては優先度の高い学会やコンベンションなどあるのでなおさらである。そういう人はわたしだけでもないだろうと思う。学生だったり休めない仕事があったり求職中だったり、ある場所で行われるイベントに参加できない理由はいくらでもありえる。仕事はともかく、まあそういった貧乏人は大会主催者からすると対象外なのかもしれないが――国際学会で大会参加費が数万円台というのはよくある、それは大抵の場合出席者の所属機関が負担したり、あるいは学割などがあるのでどうにかなる、だからこれは「IW2008高いよ」ということではない。イベントの価格の適正さをここで論じたいわけではない、あくまでもわたし個人を含む参加者個々人の出費可能性だけを考えている――ここまで考えて、再びまてよと思った。国際学会なら数万円というのはあるが、しかし「中継がなければ来るだろう」というのは国際学会の発想ではない。上で書いたように国家レベルの障碍がいろいろ存在して、たとえ費用の上で何の問題もなくても、出席できないということはありえるのだから。

世界を変えるといいつつ、国内だけが想定オーディエンスというのは、ちょっとバランス悪いのではないかなあ、と批判ではないけれど、Icopa の中継をみながら「そこでいわれる、『世界をかえる』の『世界』ってなんなのだろう」と何か少しすっきりとは理解できない気がしたのを、改めて思い出した。

批判じゃない、というのはむしろこれを自分の――ウィキマニア2009実行委員としての――問題として考えたいからで、我々が各地で開催しているコンベンションが、英語で・動画等の中継があって・一部の出席者にはスポンサーの支援により旅費を支給して・ということでただちに「国際的に開かれている」のかといえばやはりそうではない、という危機感を私は持っている。世界のすべてが英語の口頭コミュニケーションを理解できるわけではなくて、来年は地元チームの努力でスペイン語の同時通訳は入るようなのだが、しかし他の言語への通訳は依然として入らない。実行委員会のなかには「この問題について多少なりとも発言するほどの人は普通英語が分かる」的な発想をもっている人もいて、さすがに英語母語話者はそんな露骨なことをいわないけれど、しかし趨勢としては英語が出来る人が全体を牽引していくというのが暗黙の了解になっている――自分としてはこの状態には満足してはいなくて、非英語圏への情報発信に努めているのも上に述べたある種の危機感があるからなのだが、しかし実績としては、過去4回、多少現地配布資料に開催地の言語を混ぜられたくらいで、ウィキマニアはずっと「英語のカンファレンス」であり続けている。そもそも運営委員会自体が英語が出来なければ意思疎通が不可能な状態で、そのなかでも自分の意見がありながら「ぼくは英語ができないから、速く喋れないんだ」というような理由でIRCなどの会議であまり発言しない人などがいたりもする。

ウィキメディア運動のなかで、自分の立ち位置は、英語以外の言語話者*1が、英語で運営されているプロジェクトに対して、自分の意見を反映させていくことを促し、またそのための環境を作ることだと考えている私にとって、自分のプロジェクトと直接関わらないとはいえ、日本語圏のアクティブな計算機技術者さんたちが日本語圏に閉じている――ようにみえる――ことは少し残念な気がする。日本の技術は世界的にまだ高い水準にあって注目されている、その自覚をもっともってほしいとも思っている。日本語圏で発信される情報を英語に翻訳することも情報発信のあり方のひとつだが、日本語のままで発信しつづけ、ただ少しアクセシビリティを上げて、日本語が出来るようになればもっと良質の情報が手に入るということをまず認知させるのもやり方ではないだろうか。そのような思いをもっているものからすると、「中継をやめれば参加者も増える」というのは、だいぶん違う発想だなあ、と寂しく思われてならない。

私が文脈を取り違えていて、たんに誤解しているのだと、いいのだけれど。

自分でも何がひっかかっているのか、実はまだはっきり分かっていない。言語化したらもう少し見えてくるのかなと思ってこのエントリを書いてみたが、さほどでもなかった。何かまだ大事なことを見逃しているような、もどかしさがつのっただけのような気もする。ウィキマニア2009の開催は来年の8月下旬、一部の議論は動き出したが具体的な作業に入るのはおそらく来年の2月・3月になるだろう。具体的な実施プランを固めるまでの間、中継も含めて、「開かれた/参加しやすいカンファレンスとは何か」ということを、少しゆっくりと考えていきたいと思っている。

*1:日本語話者も当然含まれるが、しかしわたしの関心は日本語圏だけにあるわけではない。話者数でいえば、中国語やアラビア語などの方が多いし、言語人口だけでなく識字人口やインターネット普及率も考えた上で、デジタル世界の南北問題を解消していくことが我々ウィキメディアンの仕事だと思っている。

こんなんでましたけど

1年前にCASECという英語力判定試験を受けて、それを別のブログに書いたのを思い出したので紹介しておきます。最近ラジオの英語講座をさぼっているので、聴くのと話すのは若干落ちているかも。

英語の検定試験を、20年ぶりに受けてみました。英語の検定試験といえば TOEIC と英検が有名ですが、今回受けたのは CASEC と いいます。英検を実施している日本英語検定協会の試験で、英検と違い、オンライン、オンデマンドでいつでも受験できます。……

試験は4部門、語彙、表現力(慣用表現など)、リスニ ング、ディクテーション(穴埋め)でそれぞれ15問、 250点満点です。……

気になる得点ですが、私はそれぞれ 210, 183, 181, 158 でした。

Brittyswake L2日記: CASEC

TOEIC*1換算だと800点前後らしいです。

まあいろいろえらそげに書いておりますが、そんなにすごく英語が出来るというわけでもありません。そして、判定試験のたぐいで「もうちょっとがんばりましょう」といわれていても、意思の疎通にそれほど不都合は生じないと、ここは体験から胸を張っていいたいと思います。

*1:受ける気はない。1.受験料が高いし 2.休みの日に一日つぶすだけの価値を見出せない。別に就職活動とかのために必要なわけではなく、ただ健康診断のようにちょっと受けてみるのに、そこまで手間隙をかけるほど英語が好きなわけでもないのだ。誤解のないように書いておくと、今の私は英語がとくに好きというわけではない。いちばん好きなのはイタリア語だし、いまのマイブームはスペイン語である。ただ外国語のなかでは比較的常用頻度が高くまたなんといっても長く付き合ったおかげで、英語についてはそれなりにノウハウも意見もあるので、それを他の方と共有したいとは思っている。