シェリングとスウェーデンボルグ

注の対応を調べるといううだうだな仕事をしていて、うだっています。ブーフハイムのPhB版『自由論』序文によると、ベーメシェリングが始めて出会うのは1806年*1、エーティンガーのSwedenborgの中でだ、というのだが、どうもそのタイトルまんまの本は存在しないようなのだよね。はて。

エーティンガーはスウェーデンボルグのドイツ語への翻訳者で、スウェーデンボルグに言及していることは間違いがない。本も書いている。書いているがタイトルはちょっと違っている。これじゃあないのかな、と思う本があるが*2、そうなんだろうかうううむ。"anderer"にベーメが含まれていた可能性はあるが、実物に当たらないと分からない*3。この本のほかに、エーティンガーは『天界と地獄』に注を付けたものを出したりもしているようだけど、そのことではもっとないだろうと思う。いずれにせよ現物を当たらないと確たる事はいえず。

なお、この本をシェリングが読んだこと自体は間違いなくて、1809年から10年にかけて読んでいる形跡が日記に残っている*4、そうである*5

*1:なお、1806年というのはシェリングミュンヘンに転居した年でもある。

*2:Swedenborgs und anderer Irrdische und himmlische Philosophie, 1765.

*3:なおこの本には第2部(続刊かな)があるようで、そこでは (Gedanken) 1. Swedenborgs. 2. Malebranche. 3. Newtons. 4. Cluvers. 5. Wolfens. 6. Plouquets. 7. Baglivs. 8. Frickers...ベーメがおりませんな。詳しくはこちら

*4:Schelling, Friedrich Wilhelm J
Philosophische Entwürfe und Tagebücher / aus dem Nachlaß herausgegeben von Hans Jörg Sandkühler mit Lothar Knatz und Martin Schraven.
Hamburg : Felix Meiner Verlag, 1994-
1809-1813. - 1994.

*5:12ページからと45ページから。これちょうどカロリーネが亡くなった直後だよなあ、そう思うと、ちょと泣ける。