ヒュッツポット
オランダのウィキメディアン、User:Effeietsanders 通称 Eia から去年教えてもらった料理。「日本人はカレーが好きだから君の気に入るんじゃないかと思って」だそうだが、簡単で、日持ちして、腹持ちもよく、素朴ななかに滋味のある皿で、この時期になるとよく作る。今晩はこの冬二回目。下の分量で作って、少しおかわりをしてたっぷり食べたのだが、あと二回分くらいは、あるかしら。
ヒュッツポット(四皿分)
- 玉葱 大1
***
A:
- 人参 大1
- じゃがいも 大4つ
- ローリエ 1枚
- にんにく 1かけ
- 胡椒 ひとつぶ
***
- ナツメグ 小さじ1
- 塩 適量
- 牛乳 大さじ1
これでできあがり。友人には「コロッケの中身だけ」といわれたが実際そんな感じ。オランダではこれをブラッドソーセージなどと一緒に合わせて食べるらしいが、これはこれで独立した皿だとみなされていて「付け合せ」ではないらしい。なおゆで汁は棄てずにあとで味を付け直しスープとしていただくのがオランダ流である*2。
ちなみに今日の献立はヒュッツポットに豆腐ステーキ、付け合せはエリンギの焼いたん*3。これを書いたら紅茶をいれて別腹にチョコレートをいただく予定である。
じゃがいもがオランダに入ってくるのは当然15世紀以降で、それまではパースニップを用いていたと英語版ウィキペディアに書いてあった。純然たる家庭料理で普通はレストランで出すものではないそうだが(しかし旅行会社の広告を見ていると観光客相手のレストランで出てくることはあるようだ……)、例外は10月3日のライデンで、この料理がオランダ独立戦争でのライデン包囲戦で守備側に食されたという故事があるため、この日ライデンでは各家庭のみならず居酒屋のようなところでもヒュッツポットをメニューに載せるそうである。
なおこれを教えてくれた Eia によるとさらにおすすめなのが同様につぶしたじゃがいも*4とゆでたケールを混ぜた料理なのだが、ケールが手に入らないので作ったことはない。Eia は非常に熱心にこれらの皿のレシピを教えてくれたのだが、同時に「オランダには料理なんてないよ! あるのは何であれビタミンがすべて失われるまで煮たものだけなんだ……」だそうである。
追記:玉葱を炒める場合も電子レンジで下加熱するのが鰤端末流である。詳しくは茶色い玉葱 - 鰤端末鉄野菜 Brittys Wakeをご覧下さい。