ロシア風サラダ

NHKラジオ第二放送の「まいにちスペイン語」、3月で終わったシリーズのなかで ensaladilla rusa というのがでてきた。直訳すればロシア風サラダだが、訳ではたんに「ポテトサラダ」と呼んでいた。それでポテトサラダにもいろいろあるけれど、なにをどうするとロシア風になるのだろ、と疑問に思ったのだがそのまま忘れていたところ、マヨネーズで茹でたじゃがいもを和えたのをそう呼ぶのだと友人から聞いた。2月のことである。

ウィキペディア英語版にも Russian salad で項目があって、それによればロシアではオリヴィエ風サラダと呼ぶらしい。19世紀の末モスクワにあったフランス料理屋のスペシャリテに由来するという。興味深いことに、元来のレシピにはじゃがいもは出てこない。弟子がレシピを盗んだのがだんだんに広まっていって、20世紀にはいる頃にはもうじゃがいもが入るレシピが一般的であり、ニューヨークあたりでじゃがいものマヨネーズ和えサラダがロシア風として知られていたという。そうしてどこを経由したのか、これはスペインにも伝わって、ロシア風サラダ(エンサラディッジャ・ルーサ)と呼ばれているという。

じゃがいものマヨネーズ和えだけなら日本のポテトサラダでも一般的だが、すこし違うのはロシア風サラダのほうは温野菜主体であること、冷製の肉や卵が入ること、だろうか(この件追記あり)。玉葱は入らない。さらにスペインの「ロシア風サラダ」では、オリーヴのピクルスやツナも入るそうだ。何度か試行錯誤して、いまの私のレシピはこんな感じ:

  • じゃがいも 1キロ
  • にんじん  1本
  • きのこ 1盛
  • その他好みでグリーンピースなど季節の野菜
  • 卵 1個
  • ツナ缶 1つ
  • マヨネーズ 1カップ
  • パセリ 適量
  • 香味野菜(にんにく1かけ、ローリエ1枚、黒胡椒1粒)
  • ナツメグ 1振り
  1. じゃがいも、にんじんはよく洗う。
  2. 他の野菜も洗う。きのこは一口大に切る。
  3. 鍋にじゃがいも・にんじんをそのままいれ、たっぷりの水を張り、香味野菜をいれて中火にかける。
  4. 卵は別の小鍋で固ゆでにする。殻をむき、一口大に切る。
  5. マヨネーズを作る(1カップ分は卵黄1個分・酢大さじ1・油180cc・塩コショウ適量)。クックパッドに詳しく載っているのでそれをいつも参考にしている*1
  6. 湯が沸いたところできのこや他の野菜もいれて茹でる。
  7. 茹で上がった野菜やきのこをざるに取って冷ます。野菜を一口大に切る。
  8. じゃがいもとにんじんを鍋から上げ、熱いうちに皮をむく。にんじんは一口大に切る。
  9. 皮を剥いたじゃがいもはボールに移し、しゃもじで粗くつぶす(本来のロシア風サラダでは角切り。追記参照)。マヨネーズを入れて和え、他の野菜も加える。ナツメグを加える。
  10. ツナ缶の汁を切る。一口大に切った固ゆで卵とツナを9.のじゃがいもに加え、ざっくりと混ぜる。
  11. サラダを皿に盛り、刻んだパセリをかけて、出来上がり。

冷蔵庫に入れておけば3日はもちます。前菜にもよし、サンドイッチの具にもよし、おかずとして食べてもよし、取り回しの効く一品ですので週末に多めに作っておくと便利かと思います。どうぞお試しを。

追記:友人のブログには写真もあるので後からリンクしたところ、上のレシピには重大な見落としがあることにひとつ気がついた。ロシア風サラダの特徴はじゃがいもを使うことだけでない。じゃがいも他の野菜が角切りになっていることが特徴なのである。これはウィキペディアの記述でも「マケドニア風サラダのようなもの」とあるので外せないポイントだろう。私がどちらかというとじゃがいもは柔らかく茹でてマッシュしたものが好きな上に熱い芋を角切りにするのはしんどかった覚えがあるので、どこかで無意識のうちにアレンジを加えていた模様。というわけで正調ロシア風サラダになさりたい方は、芋を角切りになさってください。

*1:なおこれを全部使うと多すぎるので後で加えるときは様子をみながら適量を足していく。余ったマヨネーズは固ゆで卵のトマト添え(oeuf dur mayonaise avec tomato) などに用い、早いうちに使い切る。