星はきらめき(追記アリ

二月の終わり、わたしは自分のはてなブックマークを非公開(プライベートモード)にした。一方で、ブックマークコメントを通じて交流のあった方もいて、それをまったく失うのも不本意なので、はてなグループを利用して閲覧範囲を制御するということを考えた。

これは案外にうまくいった。はてなブックマークの設定に公開許可を直接に書き込むより、はてなグループの管理画面で閲覧の許可不許可を管理するほうが、一覧性があって使いやすい。もっとも不許可というのはことばの綾で、実際には「不許可」というモードははてなグループにはない。たんに「管理者承認まち」になって残るだけである。これはなんとかならんもんですかね。「はい」だけが有効で「いいえ」がないなんて、まるで太古の電脳紙芝居の似非分岐*1みたいだ。おしつけがましいったらありゃしない。おいといて。

ところがしばらくたって不都合に気がついた。はてなブックマークに、閲覧してくださっている方からはてなスターを頂くことがあるが、そうするとスターのついたブックマークコメントがその方やあるいは私のはてなスター favorite ページに引用され、表示されるのだ*2。短いコメントだとほぼ全文が引用される。プライベートモードにしている意味がまったく失われている。

これは焦った。知られて困ることが書いてあるわけではないが、自分が差配したことがうまくそうなっていないということはそれだけで焦る理由としては十分だろう。死にそうなほど絶望するということはないにしても。そこで、はてなにメールを書いたのが3月10日、ちょうど一月たって、対処しましたというメールが来た。

うまくいっているようなので、ようやく表にも書くのだが、閲覧範囲指定というのはプライバシーとも関わる、ユーザにとってはかなり気になる部分のはずだ。その対処に一月というのは、ずいぶん悠長に過ぎるのではないだろうか。とりわけ、その間に色付きの課金はてなスターなどといった、スターの別機能の開発がなされて導入されるということがあっては、はてなという会社の優先順位のありよう価値観のありようについて疑問をもたざるをえなかった。ことに、はてなブックマークのその頃のエントリをみていると、この不具合はわたしが気づくより前に既に他の方によって指摘されているようだった(URL失念)。

最近導入された、はてな上での色々な操作が時刻付きで公開されるというサービスにも、同じ価値観のありようが反映されているように思う。とりわけ「非公開」を選択しようがないというところに、はてなブックマークでおきた、ユーザの非公開の意思を他ユーザのつけたはてなスターが上書きするという問題と同根の設計思想の陥穽を感じる。はてなという会社、「みせる」「みせない」というユーザの選択を尊重することにおいて、あまりにも軽く、また押し付けがましいのではないだろうか。

追記:idea:23599コメント欄にてid:naoya氏から詳細な説明があった。わたしとしてはこういう状況で「うまくいっている」と確言したことには不安を覚える。このエントリを読んで、安んじてブックマークの非公開表示に移行した方があれば、あるいは他の非公開ブックマークページにスターを付しもって漏洩を招いた方がいれば、お詫び申し上げたい。またその説明のなかでは、この不具合が抜本的に解決されていない旨発言があった。この件については、わたしのアカウントに対して個別対処いただいたということで、他のユーザさんに対しては不具合が残っている可能性があり、依然はてなスターのページを介した非公開ブックマーク情報の漏洩可能性は残るということらしい。ゆえに別して注記しておく*3

*1:例:『ドラゴンクエスト』のローラ姫の「そんな、ひどい」

*2:id:kanimasterさんの指摘を受けて加筆。スターページが、スターのついたブックマークコメントの冒頭数十字を表示する仕様についていっているのであって、スターがコピー&ペーストで保持する文字列のことを指しているわけではない。

*3:なおスターの表示・非表示はボタンがあるということだが一瞥では見つけられなかった。