ドイツ人の国民的教養としてのアルプスの少女ハイジ

今の子供たちにとって、アニメやゲームを作るのが日本人だというのは、もはや周知の事実だったのである。ドイツ人の(特に子供の)日本に対する認識は、ここ20年ほどで劇的に変わったのだそうだ。

ただ、それを今の大人たち(40代以上)は、やっぱり知らされてなかった。だから、彼らは、自分たちの子供が日本についてそんなに詳しいということにもまた、驚かされたのである。

そうして彼らは、「アルプスの少女ハイジ」が実は日本人が作っていたのだということを知ってまず驚き、次に、子供たちがそれを当たり前のように知っていたことで再びびっくりさせられたのである。

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ネタだと思っている人もブクマコメントをみるといるようなのだが、たいてのドイツ人がアルプスのハイジを知っているのは事実である。日本は正直ドイツではあんまり知られていないので、『アルプスの少女ハイジ』はドイツ人がまんべんなく持っている数少ない日本についての知識だといってもいいくらいだ。

  • ミュンヘンの下宿の大家のおばちゃん(当時50代)は、「日本」という話題にあまり持ちネタがなく、彼女の少ないもちネタが「ハイジみたことあるよ」「しょっちゅう再放送してるよ」だった。
  • そして次の週、日曜日の朝、新聞を広げると、そこにはたしかに Heidi とあり、わたしはZDF(ドイツの公共放送のひとつ)でドイツ語版のハイジをみたのであった。なおOPとEDがどんなだったかは覚えていないはドイツ在住であるid:kmiuraさんによると共にドイツ語の全然違う歌がついているとのこと。
  • つい先日まで、日本学を学びに留学していた若い友人がいたのだが、彼と話をしたときに出た話題のひとつがやはり『ハイジ』だった。日本アニメだということはわりと最初から知っていて、というよりそういうことがあいまって日本文化に関心をもったのだという。
  • ドイツ人の若い子が「日本文化に関心をもっている」といったら、それはほとんどアニメが好きということである。それは最近いろんな国でそうなのだが、そこで「むかしハイジみた」というドイツ人は多い。

アニメはどうも彼らから日本文化の粋であると思われていて(映画に対する尊敬の度合いということもあるかもしれない)、なので日本の最初期のアニメはディズニーの影響を受けつつ、それに追いつこうとして出発したなんていうことをいえば、いかにディズニーアニメがハリウッド的で商業的論理に満ちていて作家性に乏しく、つまり日本アニメと比べてあんなのはスカであり「おまえはアニメが分かってない」と説教が始まるのがオチである。ドイツ人には議論が下手なわりに一度理屈をこねだすと止まらなくなるのが一定数いるので、最近は初めからからそういう地雷は踏まないことにしている。

なおハイジはスイスでも放送しているらしく、彼らにとっては作品の内容もさることながら、舞台がスイスであるということがこよなく大事らしい。とくにスイスよいとこドイツすかなとこというのがあの話でははっきりしているので、彼らの愛郷心をえらい刺激するらしい*1 。スイスのアニオタと会話すると「スイスはミヤザキのアニメの舞台になってるんだze」というような訳のわからない自慢話を聞かされることがある。

一日一チベットリンクダライ・ラマ、「体調不良」訴えインドで入院=病院 ロイター]、2008年 08月 29日 09:48 JST。9月はじめに予定されていた外国訪問2つを含む当面3週間のすべての予定がキャンセルされている。これに伴い、以前紹介した8月30日の12時間断食、当初ダライ・ラマも参加する予定だったのだが、これもキャンセルしたという。断食キャンペーン自体は行われる。日本では東京の護国寺と広島の龍蔵院デプン・ゴマン学堂日本別院で法要ないし祈祷会があるという。

しかしロイターより産経(28日0:43の記事)が1日以上早いというのは興味深いです。

*1:一部のスイス人にとって「ドイツ」というのは地雷であり、「ドイツ語」のつもりで German などといおうものなら German language といえとか、政治的に正しい指摘が来ることはままある。そしてそれはナチに直接踏まれた世代だけでなく、いま10代20代の人でもそうなのである。